#29「だらだら暮らす」

おかやん

前回までの復習

駆け落ちして、

家も決まって

ようやくゆっくり寝れると思った矢先、

なんと家の中が水浸しに!

賃貸側に文句を言ったところ、

数か月後に

ちゃんと補償金が出た。




今回のお話は、

新天地に来て、

手持ちのお金が無くなって、

働かなきゃいけなくなるまで、

私たちの生活がどんなものだったかという、


そんな閑話休題。




よくケンカをした同棲初期

お金を大事にしないといけない状況にあるというのに、

金遣いの荒い生活をしていた。

たった二人の生活やったのに、支出は毎月25万を越えていたと思う。

百万あった軍資金と補償金は、

2,3カ月であっという間に底をついた。

夫も私も、お金に対する知識があまりに欠けていた。

お金の不安があるせいか、

私の人間性が低いからか、

とにかくこの2,3カ月はケンカをよくした。

まぁ基本、一方的に私が切れ散らかすのだが。

当時の私は自己肯定感が低く、

そのくせ自己承認欲求は強く、

なのに嫉妬心は人一倍あった。

わたしがやりたいことを、なんでもそつなくこなす夫に、

私は嫉妬交じりの八つ当たりをよくしていた。

絵も。

音楽も。

夫がそれに取り組んできた年数も根気も違うというのに、

人並み以上の実力を持った彼が憎らしかった。

一緒にいる時間が多いせいで、

小さなひとつひとつが目について、

本当に私は、夫に辛く当たった。




この感覚が私から消えるまでに、まるっと2,3カ月はかかった。

一緒に暮らし始めてすぐの頃は、

お互い働いていないために話し合う時間がいっぱいあった。

新天地ゆえに、実家や友人などの逃げ場がないせいで、

いやがおうでも夫と向き合わざるを得なかった。


私たちがこの先の十余年、

互いを思いやり、仲良く生活が出来たのは、

この時の話し合いがあったからだと断言できる。

でもこの頃は本当に

「原因自分論」

が受け入れられなくて、しんどかったなぁ~(本音)







価値観のすりあわせ

一緒に暮らし始めた頃、

家族以外と一緒に暮らすということが、これほど大変とは思わなかった。

好きなだけではどうにもならない価値観の違いが、

なにげない生活の中でちょいちょい出てくる。

前回は「睡眠」について言及した。

けれど、夫と私の一番大きな価値観の違いは

「食」やった。

私の家庭はあまり「食」に対して欲がなく、

「食べるもので自分の体はできている」

という自覚がなかった。

食べすぎは体を壊すけれど、

食べなさすぎも体を弱らせてしまう。

私たちは極端に、そのどちらかだった。

私の食べない生活に合わせれば、夫は体調を崩したし、

夫の食事の量に合わせれば、私は残さざるを得なかった。

この擦り合わせが合致することは、結局、夫の最期までなかったように思う。

生活習慣や体質を変えるというのは難しい。

特に食欲というのは、人が持っている欲の中でもかなり強いらしいから、

夫がそれを自制するのは、当時、かなり苦労したことと思われる。

でも、お互いが出来る限りの努力をし続けたおかげで、

ちょうどいい塩梅あんばいの価値観が、身についた。

少なくとも、夫が常に口にしていた

医食同源いしょくどうげん」という教えのおかげで、

今の私は健康だ。




幸せとは健康の上に成り立つ

この、働くまでの数カ月の時期が一番幸せだった。

駆け落ちした6月から、仕事に就く9月までの、たった4カ月間。

その間に、2人で宮島に行ったりした。

本当に楽しかった。

幸せだった。

幸せ過ぎて怖いほどに。

不安は大きかったけど、それでも「なんとかしよう」「なんとかなるだろう」と思っていた。

それが崩れた日のことを、私は忘れることが出来ない。

何度でも言おう。

「幸せとは『健康』という土台の上に成り立つもの」

だからだ。

夫は焼肉屋の店長時代、

ブラック企業(企業ではないけれど雇われだったから)

に勤めてたがゆえに、

健康診断を何年も受けていなかった。

そして、労働時間がとても長かった。

休日なんて存在していなかった。

体を壊して当たり前の環境に、

夫は何年も身を置いていた。

だから、幸せはここで終わり。

「健康」という土台が崩れる日は突然に。

そして、その頃にはもう止めようがなかった。

それはまるで坂を転がる石のごとく。

私たちから「普通」を奪っていった。




お知らせ→やりたいことがあるので、しばらくブログの更新が止まります。

ひと段落ついたらまた更新するので、待っていてくれたら嬉しいです😊

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アラフォー主婦のノンフィクション雑記ブログ
21歳で駆け落ちした経歴を持つ、現在39歳の未亡人です。 このブログが多くの人に読まれ、亡くなった夫のことを私以外の誰かにも知って欲しい。
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