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#28「たわんだ天井」

#28「たわんだ天井」

おかやん

前回の復習

新天地に来て三度目の夜は、布団がないせいで痛くて寝れなかったので、布団を買ってきた。

さあ、これでやっとゆっくり眠れるぞ! と思ったその夜。

大雨が降り、どういうわけか玄関からびしゃびしゃになった。

じわじわと家の中に侵入してくる水に、寝るどころではない。

そんな気が気でない一夜にも、やがて朝が来た……。



そういう契約内容

賃貸マンションに入居する時「火災保険」というものに入る必要があった。

レオ〇レスの場合、先方が指定してきた会社に加入を要求された。

とにかくどこか家に入りたかったので、あんまりよく見もしないでサインをした。

雨で家の中に水が入ってくるとか、どう考えても賃貸側のミスだろう。

だから、サインしたばかりのそれをひっぱりだして、速攻電話した。

夜中やったけど。

だって「24時間電話受付」って説明を聞いていたし。

賃貸の問題はとりあえずここへって言ってたし。

もらった紙にもそう書いてあったし。

で、夫が電話したら、これよ。

「事情は把握しました。ですが、社員の対応は朝10時からです」

おい、こら。

24時間対応ちゃうやんけ。

単に話聞いただけやんけ。

そうこうしている間にも、水はどんどこ奥へ入ってくる。

雨がいつやむかなんて分からないというのに。

それまで待てと……?

「今すぐ何とかしてくれ!」

と、食い下がってみたものの、どうにもならんかった。



私たちは仕方なく、

バスタオルを玄関に敷いて、

簡易的なダムを作って、

生活空間に水が侵入するのを防いだ。

バスタオルは絞りにくいし、しょっちゅう玄関の様子を見に行かなきゃいけない。

それに、雨漏りの原因が本当に雨かどうかも、その時は自信がなかった。

そんなふうにして2、3時間後。

雨が止んだ。

そしたら天井から落ちてくる水もピタッと止まったわ。

対処している時は心身ともにしんどかったけど、雨やんでくれてホッとしたなぁ。




睡眠の大事さについて

雨がやんでくれたおかげで、それ以上水が増えなくなったから、雨は全部拭いておいた。

電話で言われた「対応してくれるレオパ〇スの社員さん」が来てくれると時間まで、まだ数時間もあった。

それまでの時間、さすがに私は寝た。

体力回復させなきゃ、って思ったし、くたびれてたし、割とすぐに寝た気がする。

もちろん、夫も横にはなった。

だが、彼は怒りと心配で寝れなかったらしい。

これ、夫の悪癖よなぁって、いつも思ってしまう。

彼は寝るのに妙にデリケートなタイプやった。

この辺の繊細さが夫の寿命を縮めていたんじゃなかろうか、と、私はひそかに疑っている。


ちなみに私はというと、小さい頃、父親からこう教えられたことがある。

「どんな状況でも、とりあえず寝たらどうにかなる」

どうにかってなんやねん、って思うけど、今なら分かるが確かにどうにかなる(笑)。

少なくとも、一回寝て、起きてから色々考えた方がなんかマシ。

この教えは良かったな、と年を経るごとに実感する。

私の図太い性格はこの辺に由来する(笑)

長年、夫と一緒にいて「心配性って損してるなあ」と思ったことは数知れない。

睡眠とはそれほど大事なのだ。



やっと現場検証

10時になった。

レオの人はまだ来ない。

始業時間が10時からなんだろう。

実際に家に訪問してきたのは、11時近くだった。

夫は怒りまくっていた。

動物園のクマのごとく、家の中をウロウロ歩き回っていた。

焦ってもしゃーないんやから、落ち着けというに。



家に来たのは2人。

契約の時に重要責任説明をしてくれた担当者と、

知らない男性だった。

夫が聞かれたことに答えながら、

水を拭いた玄関と、

その上のたわんだ天井と、

そうなった経緯を説明してくれた。

「荷物が雨に濡れたんやぞ。どないしてくれるんや!」

と、こういう時の夫はマジで恐いし、迫力ある。


契約時に対応してくれた担当者の方の男性は

「スミマセン。スミマセン」

と何度も何度も謝り、物腰低く対応してくれた。

けど、もう一人の初見の男性の方は

「たぶん雨樋あまといが詰まってて、水が家の中に逆流したんでしょうな」

と、夫にビビることなく、冷静に分析しては、書類に記入していた。

私たちも、申請するための書類に言われるがまま個人情報を書いた。

2人は、ものの30分くらいで帰っていった。

チャッと来て、

パパッと見て、

サッと説明して、

スッと帰っていった。



冷静なお兄さんは言っていた。

「こっちの管理ミスなので、物が濡れて壊れた等の損失分は、こちらで補償しますよ」

淡々と事務的に。

あまりにあっさりしすぎてて、

逆に不安になったぐらいの温度感だった。

その態度に納得できなかったのか、

その人たちが帰ってからも、夫はぐちぐちと文句を言っていた。

「ホンマに補償金出るんかいな……アイツら、早よ帰りたいから適当に書類書かせたんちゃうやろな……」

「出る言うてるんやから出るやろ。あ~金出るんか~よかった~」

私はのん気だった。

良くも悪くも、単純で素直な21歳だった。


結果、夫の心配は杞憂となり、ちゃんと補償金をいただいた。

うろ覚えの記憶だけれど、ザっと50万は超えていた。

これには当時かなり助けられた。

そういう意味でも、この雨漏り事件はタルムードの「あるラバイの最悪で最良の災難」に相当すると言える。(意味としては「悪い事が重なっているように見えても、人知の及ばないところで、もっと悪い事態から救われているかもしれない」というユダヤの教え)

このときはしんどかったけれど、

あとから振り返れば、救済性を感じてしまうのだ。

もしかしたらずっと、

私たちは見えない「なにか」に助けられてきたのかもしれない。




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アラフォー主婦のノンフィクション雑記ブログ
21歳で駆け落ちした経歴を持つ、現在39歳の未亡人です。 このブログが多くの人に読まれ、亡くなった夫のことを私以外の誰かにも知って欲しい。
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